背景
たび重なる緊急事態宣言により自粛期間が長期化し、ビジネスのさまざまなセクターにおいて急速なデジタル化が推し進められる中、当社ではこれまで、観光資源を紹介する動画配信や音声配信、EC事業の強化によって、アフターコロナの需要回復期に向けた事業ポートフォリオの見直しを進めてまいりました。しかし、事業のデジタル化、そしてそれ以外の様々な社会制度におけるDXを推進していく上では、既存の金融制度や商慣習の枠組みだけでは解決することが難しい課題が多々あります。ブロックチェーンの技術はまだ過渡期ですが、デジタル社会に則したあたらしいインフラとしての認知が広がることで、縮小し続ける地域経済に対して、従来よりも安価なエコシステムの構築、国境を越えたマイクロファンディングやマイクロペイメントによるあらたな持続可能性を提示することができるのではないかと考え、今回の企画に至りました。
Symbolを採用した理由
当社が採用した「Symbol」というブロックチェーンは、2015年から稼働していた前世代ブロックチェーン「NEM(NIS1)」を元に改良され、2021年3月に誕生したばかりの新世代ブロックチェーンです。NEM時代における豊富な実績と開発コミュニティの活発さ、そしてSymbol自体が、実用性に重点をおいて開発された高機能なブロックチェーンであることから、今回の採用を決めました。REST APIによってただちに自社のシステムに統合でき、用途に応じて、パブリックチェーンと、カスタマイズ可能なプライベートチェーンを使い分けることができるため、ブロックチェーンを導入する企業にとっての利便性が向上します。
取り組みの概要
Symbol決済への対応記念・第1弾キャンペーンとして、2021年5月15日から1か月間、「暗号通貨で宿泊券が買える! キャンペーン」と題し、専用フォームからSymbol決済対応の宿泊券のお申込みができるようになります。
①専用フォームから希望の宿泊券を申込み
②お申込みいただいた宿泊券の日本円相当に対応するXYM請求額をメールにて通知
③紙の宿泊券を指定の住所へ送付。宿泊券の裏面に記載されている支払い用QRコードを自身のスマートフォンにインストールした「Symbol Wallet」アプリで読み取り、XYM送金による決済を完了。
④当社のSymbol Walletにて決済のトランザクションが承認されたのを確認次第、自社システム内で宿泊券を有効化。
⑤実際の宿泊時に、現地での利用分もXYMにて支払いが可能。
お申込み可能期間: 2021年5月15日~2021年6月15日
販売宿泊券: ペア宿泊券(66,000円相当~)、一人旅宿泊券(49,500円相当~)
利用可能日: 平日限定(ペア宿泊券の場合は追加料金で土曜日の利用も可能)
有効期間: 宿泊券のお申込み時点から約2,102,400ブロック(約2年間)
専用お申込みフォーム
https://forms.gle/pgNq3zsAbzxfYnXGA
今後の展望
ブロックチェーンは今後、地域の中で実績を生み、利用する事業者が増えていくにつれ、相互に緊密に響きあう地方経済にとっての、有効な事業連携基盤の一つとなっていくことが予想されます。当社は、東北の山深い僻地の温泉旅館でありながらも、デジタル経済の将来を見据えた収益モデルの構築に挑戦することで、交流人口の増加、雇用機会の創出、そして持続可能な山里暮らしの有りようを示していきたいと考えています。ブロックチェーン活用の具体的な展望としては、以下のような取り組みを予定しています。
デジタルアセットとしての「宿泊利用権」の販売
福利厚生としての社内通貨の発行
NFT(Non-Fungible Token)等による、従業員の収入源多様化支援
暗号通貨を用いた、国境を越えたクラウドファンディング
担当者コメント
暗号通貨は歴史が浅く、世間では「怪しいもの」と思われていますが、その技術を内側で支えているブロックチェーンの概念を知ると、私たちの身近なところでも多くの活用機会を見いだせることに気づきます。大都市圏では、ブロックチェーン・ベンチャー企業がいくつも登場しています。しかし実は、「人のつながり」の力が強い地方、それも田舎であればあるほど、ブロックチェーンを利用した意義あるユニークな取り組みを生みやすい、と思っています。現実には、そのリテラシー普及にかかるコストが障壁となりますが、B to C 領域における決済手段以外でのブロックチェーンの社会実装は例が少ないため、今回の取り組みがひとつの事例になればと考えています。(支配人 佐々木耀)







